カードローン審査通過率に総量規制は関係あるか?

お金の山

 

カードローン契約において、金融機関にとっても、ローン契約者にとっても、重要な法律に貸金業法の総量規制があります。

 

総量規制は、多重債務者が社会問題になった時代背景を受けて、平成18年に改正され貸金業法の中に盛り込まれた、借り過ぎ防止策です。

 

貸金業法は貸金業者(消費者金融)に対しての適用となるので、貸金業者以外からの貸し付けは適用外となっています。

 

その為、同じカードローンでも銀行カードローンは総量規制対象外です。

 

総量規制の内容
  • 借り入れ側の年収3分の1以上の貸付をしてはいけない。
  • 1社で貸付額が50万円以上となる契約には収入証明の提出を義務付ける。
  • 複数社の契約で総額100万円以上となる際にも収入証明の提出を義務付ける。

 

総量規制には、まったく規制の範囲にあたらない除外貸付と、一定の条件下で総量規制(の年収制限)を超える貸付が認められる例外貸付というものもあります。

 

その総量規制の適用か、そうでないかの違いが、カードローン契約の審査通過率に直接関係するという事はありません。

 

一般的に、あくまで噂の域を出ませんが、消費者金融の方がカードローン審査が甘いといわれています。

 

ところが、総量規制の内容を改めて理解すると、逆に消費者金融の方が制限があり、カードローン契約が難しいように思う方もいるかもしれません。

 

しかし、消費者金融での借り入れは、総量規制により確固たる金額の上限があることで、その範囲内であればある程度借り入れが可能だろうという指標は立てやすいといえるでしょう

 

また、収入証明書提出の義務も、貸付側としてはより厳密な審査をする為にあるに越したことはない判断材料ですから、一定額以上の借り入れ額での提出の義務が法律で定められている事によって、過剰貸し付けのリスクが避けられます。

 

そういった点では、総量規制が適用される金融機関の方が、契約審査に通るかどうかの判断がし易いです。

 

その為、借り入れ側の信用情報に余程の問題がなければ、総量規制内でのカードローン契約締結は決めやすいとは言えます。

 

ただし、だからといって総量規制対象外の銀行カードローンが審査が甘いか?といえばそういったこともありません。

 

ローン審査の基準は金融機関によってまちまちであり、一概にどこが審査が通りやすい。という事はないというのが大前提となります。

 

総量規制の対象になる消費者金融だから審査が難しいという事も、総量規制対象外の銀行だから審査通過がし易いという事もありません。
あくまで、カードローン審査は借り入れ希望者の与信と返済能力に基づいて、融資可能か判断されます。

 

クレジットカードキャッシング枠も総量規制対象?

 

総量規制は貸金業者による金銭借用契約全般に適用されます。

 

その際、カードローンでの借り入れだけでなく、クレジットカードのキャッシング枠の利用も総量規制の対象となっています。

 

ショッピング枠は総量規制の範囲ではないので、借入残高として含まれません。

 

カードローンの残高は年収の3分の1を超えていないから…と思っていたら、キャッシング枠の利用額とあわせたら総量規制を超えていた!

 

という事も、少なくありません。

 

また、それを知らずに何度も申し込みをしてカードローン審査に落ちるばかりだと、信用情報に傷だけがついてしまいます。

 

複数借入先があり、且つクレジットカードキャッシング枠を利用している方は、総借り入れ残高に注意が必要です。

 

消費者金融でのカードローン契約をする際、万が一総量規制に触れるからといって年収や借り入れ件数・残高を偽って申し込んでも、審査に通過することはありません。
年収も他社借り入れに関しても、貸し付け側は過去の顧客データや信用情報の照会ですぐに嘘だと見抜きます。
カードローンは信用貸しですから、申し込みの段階で虚偽の申告をするような方は借り入れが出来ないといえるでしょう。

 

銀行カードローン審査も総量規制に影響を受けるように?

 

2017年銀行カードローンは過剰貸付が大々的に指摘されるまでは、総量規制対象外と散々言われていました。

 

しかし、2017年に日弁連が過剰貸付に関して指摘したことで、各銀行は取り扱っているカードローンの審査をそれまでよりも厳格化する自主規制を行いました。

 

その結果、総量規制に関係しないにも関わらず、銀行カードローンでも年収制限が借り入れ側の2分の1までなどという目安が出来、収入証明書の提出義務も総量規制の範囲と同じになってきています。

 

その為、消費者金融のように法的な効力を持っての規制ではありませんが、銀行カードローンも総量規制が全く関係ないとはいえなくなっている事に注意して、カードローン申し込みをする事が大切といえるでしょう。

 

自主規制ではありますが、銀行カードローンの審査基準も総量規制に寄せてきている点を無視することは出来ないといえます。

 

総量規制除外貸付のカードローン審査とは?

 

総量規制除外貸付にあたるもの
  • 住宅ローン(つなぎ資金含む)
  • マイカーローン
  • 銀行貸付
  • 有価証券・不動産担保ありの貸付
  • 法人貸付

 

総量規制除外貸付は、総量規制対象外貸付といわれることも多いです。

 

除外貸付は、基本的に総量規制に関係がない為、カードローン審査に関してもまったく基準が別…と思われるかもしれません。

 

確かに、原則、銀行カードローンのような貸付は明確に法律で年収制限が設けられていません。

 

しかし、だからといってカードローン審査で問われる、信用履歴や年収を含む属性に対して、何も制限がないというわけではありません。

 

銀行カードローンは、年収の制限が適用されるわけではありませんが、基本的には限度額の設定の目安は総量規制で定めるのと同じくらいの金額となっています。

 

2017年5月現在、日弁連による銀行の過剰貸し付けがここ2〜3年指摘されており、現段階で各銀行は自主対応にて適正な審査対応と収入と貸付額の見直しを迫られています。
その為、今後は消費者金融に適用される総量規制とほぼ変わらない、年収の3分の1以上の借り入れは出来ない年収制限と、1社50万円以上または他社借り入れ含め100万円以上の借り入れで、銀行カードローンにおいても収入証明書の提出が求められてくることが多くなりそうです。
既に、メガバンク各行はカードローン契約における書類提出に関する条件を変更しており、貸し付け額に関してもより借りれ側の年収を考慮する姿勢を示しています。

 

総量規制で借入額によってさまざまな制限が設けられているわけではないので、借り入れ側が少し無理な借り入れをしようとしても法律に阻まれることはありません。

 

そういう点で、各銀行の審査基準が低いと過剰貸し付け予防にならない恐れがある為、各銀行独自の審査基準は総量規制に劣らないくらいのハードルが設定されているといえるでしょう。

 

ただ、除外貸付は総量規制が関わる貸付の借入残高と合算されることがないので、返済能力が認められれば総量規制の枠外で借り入れが事実上は可能です。

 

総量規制例外貸付は特別な審査があるのか?

 

一番ややこしいのは例外貸付と除外貸付の違いだと思います。

 

例外貸付は、除外貸付と何が違うかといえば、総量規制にまったく関係がないわけではなく、例外と定められる状況(状態)での借り入れにおいて総量規制での制限が緩和される貸付であるという事です。

 

総量規制例外貸付にあたるもの
  • 緊急の支払いを要する費用。(医療費や葬儀代など)
  • 借り入れ側に一方的に有利になる貸付(借り換え・おまとめ)
  • 個人事業主への貸付
  • つなぎ資金としての貸付
  • 配偶者貸付

 

以上が総量規制例外貸付の対象になっていますが、実際のカードローン契約で例外貸付として行われるものは、この中でも限られています。

 

一番一般的なのは。借り換え・おまとめローンでの例外貸付といえます。借り入れ側に一方的に有利な貸付にあたります。

 

特におまとめローン契約であれば、年収の3分の1を超える借入額を消費者金融で希望しても、それが原因で審査に落ちるという事はありません。

 

消費者金融では、総量規制に基づく借り換え・おまとめ専用ローンを扱っていることが多いです。

 

ただし、総量規制例外貸付として借り換え・おまとめをした場合は、契約時は年収制限を超える金額の借り入れが可能ですが、その後は基本的に返済一徹のカードローン利用となります。

 

また、例外貸付として借り換え・おまとめ契約をした後、契約先によっては借り換え前の借り入れ先での完済証明証が必要な事があります。

 

カードローン審査は、通常のカードローン契約といたって変わりなく行われますが、先述したように借入額が年収制限に左右されなくなります。

 

借り換え・おまとめ契約と個人事業主の借り入れは、消費者金融で実際に例外貸付として対応してもらえますが、その他は例外貸付に値するかの証明が難しかったり、他者(配偶者)の同意などが必要となるので取り扱われていないことが多いです。

 

加えて、例外貸付だからと言って無茶苦茶な希望額でカードローン契約が出来るわけではありませんし、絶対にカードローン審査に通るという事もありません。

 

総量規制は、過剰貸し付けを防ぐ為の規則ですから、カードローン審査において貸付側にとってある種基準にはなっても、大々的に借り入れ側のカードローン審査通過率に影響を与えるものではないという事が、以上のことから理解していただけるかと思います。

 

ただし、例えば総量規制の内容を把握していなくて、自身の年収以上の借り入れ額を希望して消費者金融に申し込みをしたとしても、審査に通過することはありません。

 

そういった点では、総量規制を大幅に超えるような借り入れは、カードローン審査では通過できない可能性が高いといえるでしょう。

 

契約後に総量規制の範囲を超えてしまったら?

 

総量規制はなにも、カードローン契約時の審査にのみ適用されるのではなく、勿論、総量規制対象の借り入れ利用をしている限り適用される法律です。

 

その為、総量規制の対象である消費者金融での借り入れやクレジットカードキャッシングを利用していて超えてしまった際には、ペナルティがあります。

 

途上与信で利用者の残高が年収の3分の1を超えた事に気が付いた契約先から、まずはそれ以上の金額の借り入れ停止がなされます。

 

その場合は、借り入れ残高が総量規制以下になれば再び利用が出来るようになります。

 

ただし、限度額の引き下げなどが利用停止の間にされることがあります。

 

また、もし、返済が滞っている且つ残高が総量規制を超えてしまった場合は、最悪の場合、残高の一括請求をされる可能性があります。

 

その際、どうにも返済が出来ない場合は、債務整理を検討するしかありません。

 

改正貸金業法で専業主婦は借り入れが出来なくなった?

 

総量規制は、2010年6月18日に改正貸金業法の内容の一つとして施行された、貸金業者による個人への貸付を規制する法律です。

 

というのも、当時、多重債務者が社会問題となっており、借金苦によって一家心中してしまう家庭が現代よりザラにあり、貸金業者による強引な取り立て(当時は正規業者でもしていた)が横行しており、それらから消費者を護るためにも法改正がされました。

 

ただ、その際一番困ったのは、消費者金融や街金などから借り入れをしていた専業主婦の方々です。

 

総量規制の内容は冒頭で触れましたが、規制の要である「自身に安定した収入がある」という条件により、貸金業者から借り入れをしていた専業主婦の方は改正直後、当分は返済しか出来なくなってしまいました。

 

そして、現在は原則、総量規制除外貸付で、専業主婦の方への貸付にも対応している銀行からしか借り入れが出来ません。
(消費者金融から例外貸付で配偶者貸付での借り入れは一応可能。)

 

加えて、借入限度額は最高でも30〜50万円までとされており、それ以上となるとカードローン審査に通過するのは難しくなってきます。

 

総量規制施行後、消費者金融は銀行傘下に?

 

総量規制は貸金業者の貸付を制限する法律である為、法改正後、消費者金融は経営に打撃を受けました。

 

中には、グレーゾーン金利で貸し付けていたが為に、過払い請求返還に追われ、倒産してしまった業者もいます。

 

ただ、そういった貸金業者はそもそも利息を顧客から必要以上に取っていたわけですから、自業自得といえばそれまでです。

 

しかし、法改正以降、現在まで貸付業務をしている大手消費者金融も何も影響がなかったわけではありません。

 

総量規制の年収制限は、借り入れ側にとっても有難迷惑な規則かもしれませんが、貸し付け側の消費者金融などにとってこそ厄介といえます。

 

年収制限があることで、貸金業者は返済能力が自社のそれまでの基準で見込める顧客だとしても、年収の3分の1以上はしたくても融資できませんから、融資額を思うように伸ばすことが消費者金融は法改正後出来なくなってしまいました。

 

融資額が伸び悩むという事は、得られる利息も少ないという事ですから、法改正直後、消費者金融は業績が悪化してしまいました。

 

ところが、その後、銀行が消費者金融の扱うカードローンの小口融資のノウハウを取り入れるために、消費者金融を傘下にし保証業務を委託したことで、現在の大手消費者金融は危機を乗り切りました。

 

その為、銀行カードローンの保証会社は消費者金融もしくはそのグループ会社などとなっていることが多いです。

 

特に、地方銀行カードローンなどは、審査をほとんど保証会社に一任していることもあるといいます。